
肌のバリア機能が低下してしまった敏感肌の人は、保湿能力を取り戻すスキンケアが重要です。では、メイクはどうでしょう?
肌荒れが気になるときは、紫外線から守るためのベースメイクくらいに留めておきたいところですが、ビジネスやフォーマルなシーンで「すっぴん」というわけにもいきませんよね。敏感肌がコスメを選ぶときには、どんなことに留意すべきでしょうか?

- 「リキッド、クリーム」よりも「パウダー」
- 「落ちにくい」よりも「落としやすい」もの
- 「コールタール」よりも「天然の」色
リキッド、クリームタイプには界面活性剤がいっぱい
ファンデーションもアイシャドウも、リキッドやクリームタイプのほうがパウダーよりも伸びが良くて化粧崩れしにくいですね。保湿効果もあるように思えます。
しかし、リキッドやクリームタイプには、もともと粉状のものを液状化するために「合成界面活性剤」が多く使用されています。肌の表面には「皮脂膜」と「角質層」があり、外の刺激から肌を守るバリア機能を果たしています。
合成界面活性剤は、この大切なバリア機能を壊してしまうのです。また、液状タイプは毛穴の内部まで入り込んでしまう可能性もあるので、敏感肌にはかなり負担がかかります。
化粧水と美容液できちんと保湿して下地でしっかり紫外線対策をしておけば、着け心地の軽いパウダーファンデーションやパウダーアイシャドウでも十分綺麗な仕上がりになります。
「落ちにくい」より、簡単に「落とせる」ことが重要
ファンデーションやチーク、アイシャドウはクレンジング剤を使わなくても石けんで落とせるものを選びましょう。
夏場になると、汗や水に強い「ウォータープルーフ」のコスメが数多く店頭に並びます。汗で落ちない、ということはぬるま湯や石けんだけでは落ちないということです。
洗浄力の強いクレンジング剤を使うと、必要な皮脂まで落としてしまい、肌荒れを悪化させてしまいます。
また、唇も顔の中では最も皮膚が薄く乾燥しやすい部分です。発色が良くて「落ちにくい」タイプのものは、絶対に避けましょう。ここで「絶対に」と念を押すのは、オフするときに皮膚に負担がかかるから、という理由だけではありません。
落ちない口紅の落とし穴。発がん性もある「タール色素」
口紅に含まれる「タール色素」を知っていますか?よく成分表に「赤色○号」「青色○号」と表記されている色素成分です。実はこのタール色素、石油から摂れるあの真っ黒なコールタールから分離・合成されているのです。
発がん性や変異原性が報告され、欧米では使用を制限されている毒性の強い成分です。
そんな毒性の強い色素が、唇の水分と反応してしっかり皮膚に定着するように作られたのが「落ちない口紅」です。これって、恐くないですか?
唇の薄い角質層にしっかり定着した色素は、簡単に内部に吸収されてしまいます。また、口紅を塗ったまま食事をすることも多いので、発がん性物質を直接「食べている」ということにもなります。
でも、着色料を使わないカラーコスメなんて、存在しないでしょ?と思われるかもしれません。

- タール色素・・・毒性が強い
- 天然色素・・・天然由来の成分
- 無機顔料・・・毒性が低い
特に肌が敏感な人は、成分をよく吟味して、安全な色素を選ぶようにしましょう。
敏感肌のコスメ選びは、「オフのしやすさ」が決め手です。ファンデもアイシャドウも口紅も、石けんで落とせるタイプのものは、配合成分もそれほど心配する必要はありません。
一方、落ちにくい、化粧崩れしにくい、ウォータープルーフ、などを謳うコスメは、敏感肌には負担が大きすぎます。化粧直しの手間を惜しんで、肌をボロボロにすることは避けるべきです。